バスラマ １６４号

今年のプロ野球日本シリーズ出場チームはパ・リーグ「福岡ソフトバンクホークス」、セ・リーグは「横浜ＤｅＮＡベイスターズ」となりました。セ・リーグは３位チームが出場することになり、異論を述べている方もいますが、終わってからルールに文句を言うのはどうかと思う今日この頃。さすがにシーズン勝率５割未満のチームが出場するようでは問題になると思いますが、今年のベイスターズはそこそこの成績なんですから。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、なんだかんだでホークスが２勝しどうなることやら。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル１６４号』です。
 
今号の特集は、１０月刊行号恒例の「最新バス機器・用品ガイド」。読み物的なメインとなるのはバラエティに富んだレポート・トピックス記事、そして事業者訪問となります。

巻頭は「 セレガハイデッカショート試乗 ｰ小排気量＋ＡＭＴの実力はｰ」と題したインプレッション記事。平成２８年排出ガス規制適合車として７月に販売を開始した日野セレガ９ｍ車はＡＭＴを採用しました。ＡＭＴについては「バス専用に入念なチューニングが行われている 」というだけあって、バスラマでは好意的な評価をしています。記事ではかつて日野が販売していた機械式ＡＴの「ＥＥドライブ」についてふれたうえで、ＡＭＴの進化を書くことが出来るのはさすがバスラマという感じです。
  
トピックスでは、京浜急行バスに登場したオープントップバスをはじめ各地で登場した新型車の話題、レポートでは全国で開催されたバスの日にちなんだイベントなどを紹介しています。

今号の事業者訪問は「東急バス・東急トランセ」と「札幌観光バス」を紹介。
まずは「東急バス・東急トランセ」。事業者訪問としては２００４年刊行の８４号以来となりますが、過去に東急バスのみの増刊などで、バスラマとは縁の深い事業者です。記事では近年の取り組みとして、都市間高速バスへの再参入と観光バスの再始動、さらにはベトナムでの「ベガメックス東急バス」についても取り上げています。また、ドライバー３名による日々の乗務について語った妙にホワイト企業感あふれる記事もあります。
 
在籍車両は近年の早期代替の方針により、８４号時点で掲載があった車両のほとんどが姿を消していることに驚きます。今号掲載の在籍車両一覧によれば、最古参は０２年式の三菱ふそうＭＰワンロマ車となるようですが、これはイレギュラー的な在籍となる模様。ごく普通のノンステップ乗合車などは０４年式がごくわずか残る程度で、ＫＬ・ＫＫ規制車が風前の灯という状況です。車両アルバムでは、写真を小さくしてでもバラエティに富んだ在籍車両を掲載しており、東急バスに対する思い入れの強さを感じさせます。



社番：Ｅ９５２．ＰＫＧ－ＬＶ２３４Ｌ２（１０年車）。２０１７年２月記録。
せっかくなので手持ち画像を２台ほど。荏原営業所配置のいすゞＬＶノンステップ車。都内営業所の大型車は「短尺ノンステップバスが主力 」となっています。 
 


社番：Ｅ１６３９．ＱＤＧ－ＬＶ２９０Ｎ１（１７年車）。２０１７年２月記録。
こちらは既に「３１台在籍する新型エルガ 」。一般乗合車の社番は基本的に営業所記号＋導入年度番号＋メーカー毎に区分した２桁の固有番号となっています。導入年度をあらわす番号は２００７年度まで分からないと意味不明でしたが、２００８年度以降はいまのところ「西暦末尾二桁 」となっています。導入年度をあらわすため、画像の車両のように年式と合わないことも。社番２０００番代は観光貸切車となっているので、２０２０年代の社番はどうなるのでしょうか。

続いて「札幌観光バス」。かつて名鉄グループ傘下の貸切専業者でしたが、２００６年に投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズへ売却。一時期は帝産観光バスや栃木の関東自動車などとともにジェイ・コーチグループの一員として事業展開を行っていました。２０１２年のグループ解体後は、「５年間で積極的に車両の若返り化を推進するとともに、新たな取り組みを次々と打ち出し 」てきた現在の札幌観光バスを紹介しています。 インバウンドや北海道の観光バスを取り巻く状況についても触れており、小生的には正直なじみの薄い事業者ですが興味深く読むことが出来ました。 
     
  連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」と海外記事となっています。
 
次号予告は、バス事業者訪問が京都バス、日本バス協会中央技術委員会から、第３回バステクｉｎ首都圏開催、ほかとのこと。栄えある２００回目の事業者訪問は京都バス、バスラマでは初登場となりますがバスマガジンで取り上げられたばかりという印象なのが残念。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。