バスラマ １１７号

クリスマスを過ぎれば、街の風景が一気に年末、年越、新年と変わり、２００９年もいよいよ
慌しく過ぎようとていきます。そんなせわしない年末の中、自分で決めたルールに縛られ、
ブログをあと２回更新しなければならないのが辛いところです。ということで久々に日曜日
の更新、月末恒例、バス雑誌の感想という名の詰め込み作業。偶数月はバスラマこと、
『バスラマインターナショナル １１７号』です。

事業者訪問は「北陸鉄道」。事業者訪問で北陸鉄道を取り上げるのは１００号ぶりとのこと。
１００号のあいだ、輸送人員は減少を続け、金沢地区も地域分社が行われる一方で、能登
地区では分社の再編が進み、現在では北陸鉄道とグループ６社で運行しています。金沢
市内の１００円バス競争など、地域と民間事業者としてのバスについて考えさせられる問
題を紹介しています。

在籍車両は低床車への代替が進み、最古参は１９９１年車とのこと。











社番：３２－７９６．
近年では乗合車、高速車とも画像のような「ダイナミックな塗装デザイン 」の車両が増えて
いるようです。低床乗合車は前面が朱色一色となります。











社番：７４－６７４．加賀白山バス
もちろん北陸鉄道といえばこの塗装。最新車が掲載されることの多いバスラマの表紙にも
北陸鉄道担当者の好みということで、この塗装の高速車が取り上げられているのは好印
象です。北陸鉄道では平成初頭の一時期、黒塗りマスクなど妙に手の込んだ特別仕様の
長尺車両を導入しましたが、リストをみると随分数を減らしていることに気付きます。前回の
金沢訪問では全く見ることが出来なかっただけに、早々に再訪したいものです。

今号には特集と銘打った企画は無く、それなりのページを割いている項目は２つ。
１つ目はベルギーで行われる「世界最大規模の 」バス専門ショーを紹介した「バスワール
ド コルトライク２００９」。日本国内のバスデザインはヨーロッパを範としたものが多いので、
次世代バスモデルに驚かないためにも見慣れておく必要があるかもしれません。

２つ目は「日本バス協会 第５８回中央技術委員会全国大会 開催」で報告された各事業者
の取り組みを紹介。個人的に興味深い内容と感じたのは、西武バスによる「多客路線の車
両仕様変更について」と題した、ノンステップバスの仕様変更について。ノンステップバスは
かねてから、ラッシュ時に詰め込みがきかないことや車内流動の悪さについて取り上げら
れることが少なくありませんでした。多客路線に合った座席配置や後部への移動性の確保
など、改善事例を紹介しています。ノンステップバス特有の前中扉間の混雑に辟易してい
るだけにこういった取り組みは大歓迎ですが、標準仕様から外れることから導入に際して
補助金が無いという現状では広がりを期待するのは難しいことも分かります。











社番：Ａ９－５８２．
初期型ノンステップバスについてもなかなか興味深い記述があります。なぜこのタイプの
車両の移籍事例が少ないのかを裏付ける内容ですので、移籍車に関心のある方は幅広
い見識のためにも一読をお勧めします。
このほか、路上故障削減、ドライブレコーダー等の活用といったバス事業者の担当者にと
って関心の高い事例を紹介しています。

連載はバスのカタログが「いすゞスーパークルーザー」の後編、ＵＦＣからモデル末期まで
を特集。いすゞは他メーカーが進めた２階建てバス開発競争とは一線を画し、アンダーフ
ロアコックピット「ＵＦＣ」を投入しました。











社番：Ｉ９００４．
ＩＫボディのＵＦＣに関しては手持ち画像がありませんので、富士ボディを並べておきます。
中国バスで活躍するＵＦＣ、貸切転用の高速車です。










１９９３年のマイナーチェンジによってヘッドライトが角型２灯に変更。
スーパークルーザーはどうも富士ボディ架装のものを見る機会が多く、いざ探してみると
小生手持ちの画像がほとんど無いことに気付きます。
リペアサービスの現場からは「交運社」、西武バスなどでボディ再生を示すプレートを見か
けますが、これほど規模の大きな会社とは知りませんでした。
そして２００９年のバスラマ賞の発表も掲載。画像が無いということもあり、本誌を見てのお
楽しみということで省略します。

今号はどちらかというとバス事業者に勤める方や関連する職に就いている方に向けた内容
が多い印象。ここ数号どちらかというとライトな記事が多かっただけに、これがバスラマらし
いといえばらしい内容の１冊です。

次号予告は事業者訪問が京浜急行バスグループとのこと。２０００年刊行のバスラマエキス
プレス以来の１０年ぶりの特集です。ほかドライブレコーダーの現況、ハイブリッドバスの話
題とのこと。なお、「斜字 」部分は同誌からの引用部分になります。