細々と更新しています
バスに関する書籍を買ったら、感想めいたものをブログに書くという長寿シリーズ。 今回は2月26日刊行の『BJハンドブックシリーズS87 都営バス』です。 車号:A-Z538.QPG-LV234L3(14年車)。2015年2月に記録。 BJハンドブックシリーズでは京浜急行バスと並び最多の4冊目の刊行となる都営バス。前作はRシリーズ時代の2005年刊行で、タイトルは東京都交通局でした。どうやらSシリーズのタイトルは略称・愛称を採用する模様。Sシリーズ1冊目の西鉄バスでなぜ気づかなかったか。 内容はいつも通りの車両編・歴史編・紀行編の3部構成ですが、特別企画として紀行編部分に2014年11月に逝去されたレイルウェイ・ライターの種村直樹氏を偲び、バスジャパン創刊号掲載された「都心を貫く銀71>系統」を再掲しています。 メインとなる車両編ですが、「03年度までは営業所ごとにメーカーが決められていたが、04年度から入札による車両購入方法に変更 」されたことに加え、特別支援学校送迎の特定バス事業の休止、さらにメーカー側の販売車種モデルの集約もあり、掲載車種は前作の47から25とほぼ半減。車両写真はカラー頁含めわすか11頁に収まるコンパクトさ。おそらくこれまでのハンドブックシリーズで最少ではないでしょうか。その分、現有車両車種別解説は大充実!冷房装置のメーカーはもちろん、ABSの装備や行先表示器など詳細に解説。他作品でもこの半分くらい解説があれば・・・と思ってしまうのは無いものねだりなんでしょう。車両編の頁数が減ったことで、歴史編も前作から全編にわたって大幅加筆されています。「終点の構図」は平井操車所です。 紀行編は、まず特別企画として再掲されたレイルウェイ・ライター種村直樹氏作「都心を貫く銀71>系統」。第12回先進国首脳会議(東京サミット)の閉幕から日も浅い1986年5月8日の取材ルポ。当時の都営バスの様子や導入間もないコンピューター運行管理の状況、今と大して変わらない道路混雑などを種村節全開のエネルギッシュな作品です。まとめとして、接客サービスの向上を謳うあたりに、今とは比べ物にならない当時のバス乗務員の接遇状況が分かります。ちなみに銀71系統は、現在四谷駅前~晴海埠頭間を結ぶ都市新バス「都03 グリーンアローズ」の母体となった路線で、当時は「新宿駅西口から、四谷、日比谷、銀座を経て晴海埠頭 」を結ぶ主要路線でした。続いて本作、2015年の紀行編は「明治・大正・昭和の余韻」と題し、1日目は23区内・2日目は梅70系統と「都営バスを乗り継ぎ、東京のノスタルジーを探す 」乗り歩きです。種村氏の作品と比べるとやはり今風でお上品な感じがします。 感想めいたものはこのくらいにして、ここからは今回の感想めいたものを書くために撮りためたものを含む小生手持ち画像を並べていきます。なお、本文中の「斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の車両リストを参照しました。 車号:G-H131.KL-LV834L1(01年車)。2015年2月に記録。 まずは在籍車の最古参格となる01年度導入のH代車。都営バスではキュービックからモデルチェンジしたいすゞエルガをフルフラットノンステップ車のtype-Bから採用しました。大塚支所配置車両の多くは都市新バス「グリーンライナー」仕様車となっています。 車号:G-H132.KL-LV834L1(01年車)。2015年2月に記録。 画像の車両も都市新バス仕様でしたが、記録時点でフロントの「グリーンライナー」ヘッドマークが標準的なイチョウのエンブレムに交換されていました。これはどうやら大塚支所の巣鴨営業所への統合をふまえた措置だったようです。 車号:P-K481.KL-LV280L1(03年車)。2015年2月に記録。 03年以降は前中扉間ノンステップのtype-Aを採用しています。V8エンジンを搭載したKL規制車で、画像のK代車は、「新製時は方向幕が採用(側面は戸袋横に設置)されたが、全車ともLED行先表示器に改造 」とのこと。 車号:G-R580.PKG-KV234L2(08年車)。2015年2月に記録。 07年度導入のR代車は、1つ目ヘッドライトになったばかりのPKG規制車の日野KV。100台超という大型受注だったこともあり、区部~青梅まで幅広く配置されています。画像の車両は大塚支所配置で、グリーンライナーのヘッドマークを装備した専用車。 車号:G-R584.PKG-KV234L2(08年車)。2015年2月に記録。 やはりヘッドマークの取り外しが進んでおり、この車両は愛称のみの掲示となっていました。 車号:Z-H182.KL-MP37JK(02年車)。2015年2月に記録。 続いて三菱ふそう車。MPノンステップ車で01年度導入のH代車は「新製時からの方向幕を維持 」しています。経由地違いの路線の判別にカラー方向幕はやはり有効です。フルカラーLED行先表示器の販売開始でいよいよ復活なるでしょうか?ちなみに画像の車両は、東京都交通局による観光PR事業「ゆるっ都バス旅~都バスでめぐる小さな旅~」の一環として2011年3月から運行を開始したラッピングバスとなっています。ラッピングデザインは2種類あり、こちらは東京スカイツリーをはじめ浅草・上野といった下町をイメージしたもの。 車号:B-L712.KL-MP37JK(03年車)。2015年3月に記録。 もう一つのデザインは、六本木ヒルズ・東京ミッドタウン・渋谷をイメージ。都市新バスの都01系統「グリーンシャトル」で運行しています。 車号:B-K512.KL-MP37JK(02年車)。2015年3月に記録。 都市新バスつながりで、こちらは都06系統「グリーンエコー」のヘッドマークを装備したMP。操車の都合で、ヘッドマークを掲示したまま他系統の運用に入ることもあるようです。 車号:K-H176.KL-MP37JK(02年車)。2015年2月に記録。 日暮里駅と錦糸町駅を結ぶ都市新バスの都08系統「グリーンリバー」には、土日祝日に急行便を運行。東京スカイツリー観光客をターゲットに2012年4月から運行を開始しました。運用車両には判別のため、画像の車両のように「急行」のマグネットシールを掲示しています。急行は通常便と異なる経路を走行するなかなか意欲的な路線でしたが、2015年3月いっぱいでの廃止が発表されました。 車号:P-V351.LKG-MP37FK(10年車)。2015年2月に記録。 例のリコール騒動から、三菱ふそう車は数年間導入されず。ATを本格採用したMPノンステップ車販売開始後の2010年以降、受注数を増やしています。 車号:N-L795.KL-UA452KAN(03年車)。2015年2月に記録。 UD車では、都営バスで残り少なくなった富士ボディ架装車としてH・K代車が在籍しています。西工ボディの大型車は03年度導入のL代車から登場。このL代車は側面窓のほとんどが固定窓という都営バスで異色な仕様となっています。 車号:K-P523.PKG-RA274KAN(06年車)。2015年2月に記録。 コスト面で優位となったのか、UD車の受注実績が格段に上昇。06年度のP代車は111台のRAノンステップ車を導入しました 車号:P-S663.PKG-RA274KAN(08年車)。2015年2月に記録。 07年度は日野KVとなりましたが、08年度は60台の受注を獲得し、リベンジ成功。S代車の冷房装置はデンソーに変更となっています。 車号:Z-H302.KL-JP252NAN(01年車)。2015年2月に記録。 01~03年度にかけ、中型幅10.5mノンステップ車をまとまった台数導入。UDのJPは01年度のH代、02年度のK代車が在籍しています。導入年度で冷房装置が異なるのはUD車の特徴なのか、画像のH代車はゼクセル、K代車はデンソーを装備しています。 車号:W-L751.KL-HR1JNEE(03年車)。2015年2月記録。 日野HRはH・K・L代にわたり導入し、今も100台以上が在籍しています。L代車は側面窓固定ガラスで導入したグループ。右側面最後部窓だけが申し訳程度に開閉可能となっています。画像の車両は青梅支所配置のL代車で、「都区内から青梅に転属し、車外スピーカーを増設するなど中乗り仕様に改造 」されています。青梅支所配置車両は正面に「後乗り」のプレートとフリー乗降区間運行をあらわすプレート2枚の掲示枠を装備しています。なお、梅70系統は3月で花小金井駅までに短縮され、画像を記録した西武柳沢駅からは撤退することが正式に決まりました。 車号:K-L656.KL-HR1JNEE(03年車)。2015年2月記録。 L代車の日野HRには「東京特殊車体でレトロモダンタイプに艤装 」した車両も在籍。観光路線バス「東京→夢の下町」S-1系統で運行中です。 車号:R-L118.KL-MP37FK(03年車)。2015年2月に記録。 低公害バスの導入に積極的なところはさすが公営バスといったところ。三菱ふそうMPのCNGノンステップ車。 車号:C-N395.KL-LV28L1(05年車)。2014年8月に記録。 こちらはいすゞLVのCNG車で、新宿支所に配置されていた時期に記録したもの。CNG車は充填設備の関係で現在「臨海のみに集約 」されています。 車号:Y-R111.BJG-HU8JLFP(07年車)。2014年8月記録。 90年代の一時期採用したハイブリッド車ですが、07年から導入を再開。07年度は5台を導入し、「局番に合わせた希望ナンバーを取得 」しています。 車号:L-S137.BJG-HU8JLFP(09年車)。2015年2月に記録。 ハイブリッドノンステップ車は08年度導入のS代車から本格採用し、いきなり40台以上を導入するところがさすが都営バスです。 車号:Z-V295.LJG-HU8JLGP(10年車)。2015年2月に記録。 10年度導入のV代車は屋根上クーラー機器形状が変わったLJG規制車となります。 車号:K-X297.QQG-LV234L3(12年車)。2015年2月に記録。 日野ブルーリボンシティハイブリッドの指定席状態だった低公害車枠に、いすゞエルガハイブリッド販売開始で競合が発生。X代車でいすゞエルガハイブリッドが初導入となりました。 車号:S-Z501.LNG-HU8JLGP(14年車)。2014年8月に記録。 Z代車の2台は日野次世代ハイブリッドバスで、メーカーのモニター車的存在。アルミホイルが目立ちます。運行期間は約1年とアナウンスされていましたが、どうなるのでしょうか。 前作は粗いカクカク写真の掲載でゲンナリしましたが、本作も、それでなくても少ない掲載写真の一部がコントラストの調整が酷くて真っ白なものも見られます。屋根上機器の形状などを見せる必要があるのにこれでは・・・。前作に続きイマイチな出来でがっかりです。このような出来になるのが現在1000円+税の定価設定にあるのならば、いっそ掲載写真全カラー化でコストに見合った定価設定という選択もあるのではないでしょうか。もちろん高くて良い作品が必ずしも売れるわけでないことは承知しているのですが。 次作の刊行予定事業者は「京都バス・京福バス」。京福グループ傘下のバス事業者がハンドブックシリーズに初登場します。 両事業者ともバスマガジンで掲載されたことがありますが、BJハンドブックの体裁でどのように紹介されるのか楽しみです。画像確保のため15年ぶりくらいに福井へ行かなければ・・・。 PR
無題
エントリありがとう?ございます。
私はカクカク写真は値段との折り合いで諦めているのですが、 今回のように何が写っているのか判らない写真は困りますよね。 バスジャパンには、 都営バス90周年と大塚閉鎖と種村直樹氏逝去という絶妙のタイミングで出せる実力があるのに、 こういう点がおざなりなのは困ります。 余談ながら、前作『京王バス』が、 府中駅の啓文堂で大量に残っていました。 2回目以降の事業者は車両編が命ですから、 カクカク写真が敬遠されたんですかね。 Re:
発売開始から感想めいたものを書くまで、だいぶ遅くなりましたが、丁寧なコメントありがとうございます。
>今回のように何が写っているのか判らない写真は困りますよね。 本当そう思います。以前刊行された『関東バス』歴史編に荒いドット写真が掲載されたあたりから、きちんと校了しているのか気になります。 >余談ながら、前作『京王バス』が、 >府中駅の啓文堂で大量に残っていました。 > >2回目以降の事業者は車両編が命ですから、 >カクカク写真が敬遠されたんですかね。 思ったほど京王バス本社社員に売れなかったのでは?という冗談はさておき、ハンドブックシリーズは京王バスに興味がある息子・娘さん向けに親御さんが買ってあげるような書籍ではなく、最低でも型式などを理解しているマニア向けですから。マニア以外が手にとっても、同じようなバスの白黒写真が並んでいるだけに思われてしまうでしょうし・・・。 マニアはマニアでカクカク写真だなんだと言うんだから困ったもんです(自戒をこめて)。 |
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