細々と更新しています
「バス雑誌感想アーカイブス」 雑誌や書籍刊行時点でのバスに関する話題や取り巻く状況・環境を知ることで現在が 見えてくる!という建前(小生の勝手な思い込みとも言う)のもと、小生所有のバス雑誌 等々の感想っぽいものを書いていく戯言集。 2009年5月以来となる第2回目は、2000年10月に発行された『バスラマインターナ ショナル62号』です。 なお、本文中のデータ等記述内容は刊行時点でのものとなります。「斜字 」部分は同誌 からの引用部分で、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しました。 巻頭を飾る特集は「大きくリニューアル!日野セレガR&ブルーリボンシティ」。メーカー 担当者が、この年6月に販売を開始した日野の2車種を紹介しています。 セレガRはその名のようにセレガをリニューアルしたものです。 社番:K60054. ヘッドライト周囲のデザイン変更が目に付く程度で、ボディデザインはほぼ先代セレガを 踏襲しています。画像は京王バス南で活躍するセレガR。 社番:24655. スーパーハイデッカーのGD/GJ仕様などに搭載されたエンジンはV8ターボ付のもの に変更されました。ターボ付としたことで、排気量の縮小と燃費低減につながったとのこと。 画像は広島電鉄で活躍する高速バス転用された車両。 外観上の変化は少ないセレガRですが、「用途別標準仕様を展開」するという営業上の大 きな変更点がありました。これは、「これまで大型観光バスはいくつかのベース車を基本 に、お客様が独自の仕様を盛り込むことが一般的でした。しかしメーカーが用意した仕様 の中から選べるようにすれば、価格や納期などの面でメリットがあり、最近の低価格志向 にも合致します 」というものです。 ブルーリボンシティはこれまでのブルーリボンからフロントマスクを中心に大幅なリニュ ーアルとなりました。 神戸200か600. これまでの直線的なデザインのフロントマスクを一新し、フロントガラス下部からライト 周りにかけて曲線を多用。コーナーリングランプや左方視界窓を標準採用しました。 またフロントリッドを開閉式とするなど、他社バスボディから良いところを取り入れ、日 野路線型スケルトンボディの完成系ともいえます。バリアフリー法公布ギリギリ前という ことで、ツーステップ路線車もラインナップされましたが、導入事例は少ない模様。 画像はツーステップ路線車でさらに採用事例が少ない前後扉仕様という明石市交通部 で活躍する車両。 局番:0-3727. ノンステップバスは引き続きZF社製ATを搭載したフルフラット仕様を販売。 画像は横浜市交通局で活躍する車両。ちなみに京浜急行電鉄でルシア号で活躍する 車両がBRCノンステップバスの市販1号車とのこと。 最もページ数を割いている特集は「いま日本のバスドライバーは【後編】 利用者あっての バス、ドライバーあってのバス」。 利用者側から見たバスドライバーの印象をいくつか紹介。読む限り、だいぶマシにはなっ てきたけど好印象には程遠いという評価というところでしょうか。もちろんバスドライバー 側からの投稿記事もあり、バスドライバーとしての誇りや苦労などを書き綴ってあります。 ただ、掲載されている方々はバスドライバーとして非常に高いモチベーションで、かつ現 状に危機感を覚えている方と言うことで、バスドライバー全体の総意と考えるには無理が あるかなという印象。 バスドライバーの新人教育実例として西武バスと西日本鉄道を紹介。また、バスドライバ ーと会社、乗客の関係などエイチ・ディー西広島の取り組み事例を報告しています。 社番:E29504. バスドライバーの求められる能力は高くなる傾向。一方で賃金はというと・・・、というのが 現状でしょうか。事業の拡大で新人採用となっているのか、現状維持のために新人採用 しなければならないのかとではモチベーションも異なるのでしょう。 画像は本文とまったく関係ありませんが、教習車の事例と言うことで。西東京バスで活躍 する古参車で、ほぼ教習車として活躍しています。 特集はほかに、「東京モーターショー2000商用車の出品バス」・「最新バス機器・用品 ガイド」となっています。 2000年のバスラマ事業者訪問は、「乗合バスの規制緩和時代を控え、公営バスの存 在意義や可能性を改めて確認するという視点から、公営バス事業者を中心に掲載 」と いう方針から、公営事業者の掲載事業者を多くなっています。 今回の事業者訪問では呉市交通局・三原市交通局・尾道市交通局と広島県内3公営 バス事業者を取り上げています。 まずは今回取り上げられた3事業者の中で最大規模の「呉市交通局」。路線エリアは呉 市内だけにとどまらず、隣接する島嶼部3島や1市7町で運行しています。 丁度「呉市交通局経営健全化5ヵ年計画」をスタートさせたばかりということで、内容は この方策についての紹介メインとなっています。経営健全化ということで、ダイヤの見直 しを含めたトータルでのコスト削減が柱となります。 局番:Fo 901.P-MP618M(90年車)。 呉市交通局の車両の特徴として、準専車と呼ばれる観光タイプのマスクをもつ貸切兼 用車が40両在籍していること。健全化計画には車両の更新サイクル延長も含まれ、 古参の日野RDやスクールバス専用のMS615Nなどモノコック車の今後の処遇が気 になるところ。ちなみに画像は2009年に記録した準専車の一例。 今回掲載された3事業者の中で最も小規模なのが「三原市交通局」。輸送人員減少が 大きく、様々な経費節減により市営バス事業を存続させているという状況です。また、 勤続年数の長いベテランドライバーが多いということから「営業収益の中に占める人件 費の割合が91.7%に達している」ことも経営を圧迫している要因ともなっており、縮小 傾向となった公営バス事業経営がいかに難しいのかを感じさせます。 福山22く1218.U-MK517J(93年車)。 在籍車両は82年から97年式までの21台で三菱ふそう車オンリー。主力は画像の93 年に10台導入したMK。このほかサッシ窓仕様のニューエアロスターなど 「尾道市交通局」は、市内と隣接する向島町や因島へのバス路線を展開。尾道は広島県 内有数の観光地ということもあり「観光資源を活かした路線の新設や主催旅行にも力を 入れるなど、観光面での積極展開が目立つ 」と、呉市交通局・三原市交通局と同様に輸 送人員減少という事情は同じながらも方策は随分前向きです。大型短尺車が在籍車両 の半数近くを占め、全国的に珍しい日野RKが5台在籍しています。また、市内中心部の 観光循環路線「尾道好きっぷライン」や定期観光バス用としてレトロタイプ特装車も活躍。 画像は・・・すいません、手持ち無しです。 このほか、バスラマ創刊10周年を記念して行われた「バスラマ読者の集い」の紹介記事。 連載の私の知っているバス達は「金沢産業・金産自動車・日野車体バス(その3)」。内容 は著者のバスボデーの強度実験についての紹介がメイン。小生レベルでは全く理解でき ない難解な内容ということだけ書いておきます。 と、ちょうど10年前のバスラマを見てきましたが、変わったものも少なくないことが分か ります。東京モーターショーは2000年から隔年で商用車だけで開催されていたことも、 現在の市場からすると想像出来ないかもしれません。2000年の出品車は国内4メー カーのノンステップバスや大型観光車に加え、トヨタ・日産のマイクロバスなどバスだけ で相当な台数が展示されていました。それが大型・中型バスは日野・いすゞのジェイバ スと三菱ふそうのみとなりました。セレガRが進めた用途別標準仕様は、現行セレガへ と続きバスの「標準仕様」への方向は強まりました。 事業者訪問の3事業者も大きく変化しました。三原市交通局と尾道市交通局は2008年 3月31日をもってバス事業から撤退。本文を読んでも厳しい状況が伝わってきた三原市 交通局は民間3事業者に路線移管、バス事業を残すため積極策をとった尾道市交通局 は第3セクターの「おのみちバス」に移管し、「公営」という枠組みを半ば捨てる形で現在 に至ります。日野RKなど大型短尺古参車は移籍車やCNG中型ノンステップ車で置き換 えられたようです。そして呉市交通局も越境路線だった自治体の多くが呉市となり、江田 島から撤退するなど規模縮小を進めました。移籍車を導入しコスト削減を進めるなど公営 バス事業存続に向けた取り組みを行いましたが、2010年9月に県内大手事業者へ一括 譲渡を行うことが決定しました。 2000年といえば、バス業界的に忘れてならないは悲しい出来事もありました。 「バスジャック発生!そのとき事業者は・・・」と題した、東京バス協会と関東地区の各県 バス協会の主催によりJRバス関東で行われたバスジャック対応訓練のレポートが掲載 されていることも2000年という年を表しているといえます。 さて、久々の更新となった「バス雑誌感想アーカイブス」ですが、この号のチョイスは前 回同様、今後の更新予告を兼ねています。まあ、拙ブログを何度かご覧いただいている 方なら事業者訪問で察しは出来たかと思いますが。 局番:Hs9817. ということで、行ったばかりの広島へもう1度出かけました。勿論「呉」メイン。 しかも、往復メイプル・ハーバー0泊3日という強行日程で。初代セレガの夜行車に乗った のは久々かも。 画像は名古屋市交通局からの日野レインボー移籍車。ただ、京急やら東急やらは記録出 来ず、2009年とほぼ同じという消化不良な結果。やはり平日行かなきゃダメなのか・・・。 年内は松山と呉と仙台を柱にショボい感想文でブログ更新ノルマをこなしていく予定。 PR |
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野球や乗り物の思い出など
ひっそりと更新の予定でしたが、 現在はバスがメイン。 覗いている方は少ない辺境ブログ。
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