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梅雨だから仕方ありませんが、とくに週末はパッとしない天気ばかりの関東地方。たま
に晴れたと思えば真夏日、体が持たず夏バテ一直線です。特に今年は節電で、どこも
微妙な温度設定で余計こたえます。冷房をガンガンに効かせるためには原発の再稼
動は不可避でしょうが、メルトダウン・メルトスルーと既に深刻な事態となっている福島
第一原発の状況を見ていると、とてもそんな状況ではありません。はたして終息は見え
るのでしょうか。ということで、月末恒例バス雑誌の感想と捉えていただいて構いません。
偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル126号』です。

特集は「東日本大震災とバス」。

海浜幕張駅前2011年4月29日









宮城交通・ジェイアールバス東北・京成バスの3事業者へのインタビュー記事を中心に、
震災発生から1ヶ月間のバスをめぐる動きを、県別に時系列であらわした力作です。
画像は2011年4月29日に小生が記録した海浜幕張駅前の風景。京成バスへのインタ
ビュー記事では3月11日の状況をレポートしています。
震災後、都内バス事業者も燃料不足による運休など、大きな影響がありました。今思え
ば、震災後の燃料不足はパニックと言って良いのではないかと思う次第。

レポートは「いよいよ完成した電動低床フルフラットバス」、「昭和自動車のバス整備」、
「アルピコ交通がスタート」の3本。ここではアルピコ交通についてのみ少々書きます。
アルピコ交通は、アルピコグループの松本電気鉄道・川中島バス・諏訪バスの3社が合
併して誕生しました。合併後はアルピコ交通本社・長野支社・諏訪支社に改め、「各本支
社が引き続き各エリアを担当する形
」となりました。既に車体塗装は3社とも統一デザイ
ンのアルピコカラーとなっており、新社名の「アルピコ交通」と旧社名を併記したことが、
目に見える変化でしょうか。本文によれば「早い時期に旧社名は外していきたいと考えて
います
」とのことで、旧社名との併記状態はあくまでも過渡的な姿のようです。

10891









社番:10891.
ということで、新宿で記録したアルピコ交通の高速車両を2台ほど。まずは旧松本電気
鉄道所属のセレガ。NHK朝の連続ドラマ「おひさま」ラッピングとなっています。

30635









社番:30635.
こちらは元諏訪バスのエアロバス高速車。社番の付番法則は各社で異なっていました
が、おそらく今後導入される車両から統一されるものと推測。既存車の改番まで行うの
かが気になるところ。

このほか、「続 長時間のバス移動を快適に」と題した、高速バス・ツアーバスで活躍する
「居住性重視の車両に加わったニューフェイス」の紹介記事。バスラマも以前に比べると
ツアーバスに対して手厚く紹介するようになりました。ウィラーの広告戦略の賜物なんで
しょうなぁ。


事業者訪問は奈良交通・エヌシーバス。バスラマの事業者訪問では1995年以来の再
登場となります。2010年に開催された「平安遷都1300年祭」での大規模輸送につい
てや、近年の取り組み事例などを紹介しています。
奈良交通といえば側面固定窓の3扉車など、かつては路線にあわせた独自仕様の車両
を導入してきました。それだけに、近年のメーカー標準仕様に対しては「環境規制が変わ
るたびに価格に転嫁され、標準化のメリットが見えません
」とバッサリ。なかなか読み応
えがあります。ここで、2010年に記録したものの再掲ですが、小生手持ちの奈良交通の
車両画像を並べていきます。

1071









1071r









奈22か1071.P-HU236BA(86年車)。
2010年は久々にまとまった台数の新車導入が行われ、経年車の代替が進んだ模様。
これにより昭和のバスも数を減らしましたが、画像の86年車なども若干残っているよう
です。「奈良県の支援で周辺部でもノンステップ車の導入が促進される 」ということで、
今後はあっという間に見られなくなるのかもしれません。

車両アルバムは頁の都合上全車種網羅というわけにはいかず。続いて未掲載の2車種
を並べます。

94









奈良200か94.KC-RP250FBN(00年車)。
まずは奈良交通で1台のみ在籍するUD車。どうしてこの1台だけ導入したのか不思議で
なりません。

269









奈良22き269.P-RU606BA(88年車)。
奈良交通で一時代を築いたブルーリボンもいよいよ定期観光用で活躍する2台のみとな
りました。どちらも稼働状況の関係で撮影出来なかったのでしょうが、やはり掲載して欲
しかったです。物足りなさを感じたといえば、巻末掲載の在籍車両リストも登録番号・型式
・年式・所属営業所のみで、出来れば3扉・前後扉、ワンステップ・ノンステップなどの細か
い仕様もあればさらに良かったのですが。

連載のバスのカタログは「三菱ふそう大型リヤエンジンバスMR400シリーズ(後編)」。
「AT搭載の最新シティバスの実力を探る 神戸市バスの場合」や「新時代を迎えたバス
のドライブレコーダー」は西武バスとなっています。このほか海外記事など、バスラマらし
い手堅い内容の1冊となっています。

次号予告は、バスラマ主催で先ごろ開催されたバステクフォーラムについての紹介記事の
ほか、東日本大震災とバスの続編、事業者訪問が諸事情で掲載が延期されたという「規模
は小さくても元気なバス事業者訪問」とほか1社とのこと。やはり元気なバス事業者が思い
つきません。このほか、バスラマで「バスの歴史と文化を訪ねるA5判ハンディな写真集シ
リーズ 」
が創刊されるとの事。7月発行予定の第1弾は「関東バスの走る道」と題した東京
の関東バスで1冊となる模様。年鑑バスラマのアーカイブス内容から推測すると、かなり充
実した内容の1冊となるのではないでしょうか。こちらも発売が楽しみです。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車
両一覧を参照したものになります。
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