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個人的には期待していたんですけどね・・・。

こんな書き出しで始めるのなら、書かなければ良いのですが、(ネタも無いので)スルー
できず。ということでバス関連書物の感想大好き拙ブログ、今回はネコ・パブリッシングか
ら出版された『NEKO MOOK 1218 バスグラフィック Vol.1』の感想と謳っているもの
の中身は私感たっぷりな独り言です。

まずは内容をざっと紹介。
特集は「時代を彩ったバスたち」。第1部は東急バス・東急トランセ1500番台の車両紹介、
第2部は伝統のカラーリングと題した都内の路線バスの代表的カラーリングを紹介。
このほか、沖縄ナナサンマルバス乗車ルポや1981年の立川バスモノコック車の写真、
喫茶店の窓辺から撮影した1979年新宿駅西口バスターミナル定点撮影、1980年代の
京浜急行電鉄のバス紹介などが掲載されています。

小生的に面白いと思ったのは2つ、
まずは、「喫茶店の窓辺から見た1979年新宿駅西口バスターミナル定点撮影」。
小田急百貨店2階にある喫茶店からターミナルに入るバスなどを撮影した写真をまとめた
ものです。

エスカレーターから見た2008年新宿駅西口









大体このあたりの写真になります。
当時主力だった西武バスの三菱ふそう車や宿91のサボを掲げた東急バス、フロントに
でかい系統表示機があった京王帝都電鉄のバス、そしてタクシーや自家用車など、19
79年にはあたりまえに見られた風景が展開されています。こういう写真を見ると、バスば
かりではなく、周囲の風景を含めて記録することの意義や面白さがあることを実感します。

2つ目は、「モノコックからスケルトンタイプへ 1980年代京急バスが一番面白かった頃」
現在はエルガばかりの感がある京浜急行バスですが、タイトルの通り1980年代はナロ
ーバスがいたり、超稀少な三菱ふそうのノンステップバス試作車を導入したりと写真から
も面白さが伝わってくる内容。よくよく見ると、筆者は伝説の『京急ファン』でバリバリ記事を
書いていた御方、写真もさることながらシンプルなコメントも秀逸なわけです。もし次号に
再登場があるのであれば、当時『京急ファン』誌上で連載されていた「ナローバス」特集を
再掲していただきたいものです。

ちなみに某巨大掲示板の某スレにも、上記2つの記事が良いと思っている方がいらっしゃ
っるようで・・・。この書き込みをしたのは小生でないことをあらかじめお断りしておきます。



ここからはいつも以上に辛口な私感になります。

個人的には、上に書いた2つの記事で本書を購入しましたが、写真は非常に美しいという
以外は今ひとつ。特集の時代を彩ったバスたちは「ヒドい」の一言。第1部の東急バス記
事も、ノリはRMで言うところの「終焉迫る 東急バス・東急トランセ1500番台」。
小生も京王電鉄バスグループの95年式JPで同じような感想を持ちましたので、東急バス
ファンからすれば1500番台の終焉は非常に興味深い事象であることなんだと思います。
ただ、何故この本で東急バスの1500番台を取り上げなければならないのかという理由
付けがよく分かりません。確かにNOx・PM法の対象地域であればエアロスターMは消え
行く時代を彩ったバスかもしれませんが、『僕たちの大好きなあのバス達』をご覧いただく
までもなく時代を彩ったと過去形にするにはまだ早く、まだまだ活躍が続く存在です。

第2部はさらにヒドく、「伝統のカラーリング」と銘打つもののなぜか都内限定。しかも
京王バス!多摩バス!ナックルラインの都営!と伝統と呼ぶにはおこがましい内容。確か
に関東バスや笹バスカラーの西武バス、京成電鉄のバスや国際興業バスの旧カラーは半
世紀近く続く塗装ですから「伝統」と呼んでも差し支えないでしょうか、20数年(中には10
年未満)で伝統というのはいかがなものかと。そして何より疑問なのは、なぜ都内限定な
のかということ。ここにも明確な理由がありません。

A-3080









社番:A-3080.京阪バス。
伝統のカラーと銘打つのなら、最低でもこのあたりを紹介しないことには・・・。

「時代を彩ったバスたち」と特集を組んではみたものの、定義やコンセプトが曖昧なため、
結果的に「要は編集の都合上近所で済ませたんだろ」というような感想しか残らない内容と
なってしまっています。
そもそも、序章として『バスグラフィック』についての巻頭言がありますが、感覚的な言葉が
並びすぎていて小生の国語脳力では理解できません。
先ほど面白かったと紹介した新宿駅西口定点撮影記事にしても、写真に添えられたコメン
トはバスよりもいっしょに写っているタクシーや自家用車の方についての方が詳しい説明
がある状況。このあたりも、定義やコンセプトがはっきりしていればもうすこし違った形で
コメントを載せることが出来るものといえるのではないでしょうか。今でこそアレだなんだと
辛い感想をあびせている『バスマガジン』ですが、根底にある「バスが好き」というコンセプ
トはひしひしと感じます。そして色々な形の「バスが好き」が集まっているため、車両に限
らない内容となっているのだと思います。

結局のところ、上司から言われて作った本だからそもそもの定義やコンセプトが存在しな
いのかもしれません。それだけ、バスの本は最近売れるようなので作っておかなければ
ならないものになったということなのかもしれません。本書はVol.1と銘打っているので、
続刊を作る気満々のようです。これだけ酷評しているんだからお前も協力しろ、という意見
もあると思いますが、募集しているのは「横アングルで撮影された左ナナメ前のアングル、
いわゆるシチサン型式写真」のみのようなので、小生の出番はありません。「バスグラフィ
ック」の名の通り、型式写真を中心としたカラーリング図鑑を作り上げるつもりのようです。
これがコンセプトならそれはそれで良いのかもしれません。

ただ型式写真と簡単に言うものの、バスの型式写真を撮影するのはなかなか難しいもので
す。路上では人やバイクや車がバスとかぶるなど日常茶飯事。ターミナルでは扉を開けて
運ちゃんがタバコをすっていることもしばしば。ただ、これは当たり前のことです。なぜなら
バスは型式写真を撮るために走っているわけはないからです。ならば営業所や車庫で許
可を取れば型式写真は撮れると思う方もいるかもしれません。確かにバス関連書籍に掲載
されている写真の多くは営業所等で撮影されたものです。しかし行けば撮れると思ったら
大間違い、基本的に営業所では運用順にしたがってバスを格納しており、シチサン写真が
撮れるような空間があるとは限りません。お目当ての車両は車庫の奥というのもあたりまえ
です。なにより営業所や車庫で許可を得て撮影すること自体、個人的には控えておくべき
と考えています。今のところ鉄道に比べてバスを撮影する方は少ないようなので、節度ある
行動・挨拶等行えば、それなりに撮影を許可していただけている状況ではあります。小生も
何度か営業所で撮影することをお願いし、快く許可を得たこともあります。ただそれは好意
であって、例えば事前に予告無く訪れ、バスの型式写真を撮りたいので奥にとまっている車
両を動かしてくれなんてことを言い出す輩が出てくれば一発アウトです。そもそも営業所等
へバスカードや回数券を買いに行けばわかりますが、他を拒むような暗~い感じ、疲れきっ
てお仕事をする事務員の方、なにやら険しい顔で電話応対をしている方、営業所の建物周
囲は職人気質の運転手の皆さんが歓談中というお仕事の場に、ノコノコでかけて写真を撮
ることのお願いするのは申し訳ない気持ちがしてなりません。

このあたりのことをふまえて、型式写真を募集しているのでしょうか。バスマニアの市場は
関連出版物や模型・ミニカーなどの増加から見ても、広がったことに間違い無いでしょう。
ただ、バスマニア自体は事業者などの「好意」によって支えられており、成熟しているとは
言い難い状況です。このような状況下で急激な拡大、そして煽るような状況に恐ろしさを感
じてなりません。かなり飛躍しましたが、この本を読み、定義やコンセプトの見えないなか
煽りだけが見受けられる内容に2009年以降バスマニアに対して冷ややかにならざるを得
ない危惧のようなものを感じました。

後半はあくまで私感ですが、異論反論もあると思います。議論をする気は毛頭ありません
が、拙ブログをマメにご覧いただいている方も、たまにはコメント等いただければ幸いです。
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コメント
RMM誌連載の延長?
あけましておめでうございます。
「バス新型車両コレクション」を買おうと思い地元書店を数軒回ったものの、
どうもこの本ばかりが売れ残ってるようで、早速立ち読みしてきました。
某有名ブログでは「東京の城南地区関連しか興味ありません」
と表現されていた内容にはうんざりさせられました。
思うにどうもRMM誌「やっぱりバスも好き」コーナーを
ムックとして独立させたような雰囲気ですね。
執筆陣の確認はしていませんが、あのコーナーも
確か東急・小田急・京王に偏った内容だったような気がします。

こんなことを書くと東急・小田急・京王のファンの方に
怒られてしまうかも知れませんが、
どうも事業者のチョイスを間違っている気がします。
偏った本にするなら、例えば一冊丸ごと関東バスとかだったら
この本に対する評価もまた変わっていたのでしょうが。
この本、(南)関東地区ならともかく、関西方面では全く売れない気がするので、
このままの内容だと到底長続きはしなさそうですね。

大手事業者に焦点を当てるなら交通新聞社ムックのように、
たくさんの事業者をまとめて扱って貰えれば良かった気がします。

こう考えるとバスマガジンは意外とバランスの取れた構成なんですよね。
やはり車雑誌の方が大衆受けを心得ている、と言ったら過言でしょうが。
【2009/01/04 17:02】 NAME[大曽根線] WEBLINK[URL] EDIT[]
Re:RMM誌
大曽根線様
あけましておめでとうございます。本年も拙ブログを御愛顧いた
だけますよう、宜しくお願い致します。

ご覧になりましたか、「バスグラフィック」・・・。
評論家を気取るつもりはありませんが、事業者のチョイス以前の
問題があるのではないかと。小生も同じく某有名ブログの言葉を
お借りすれば「力量と度量」というところになるのかと思います。

東急バスの1500番台を取り上げるのならば、なぜ12年で廃車と
なるのかNox法について説明するなどフォローがあっても良かった
のではと思います。そもそも東急バスは一昔前まで車体更正2回で
15年使用が標準でしたから。
批判ばかりしていても仕方がありませんが、せっかく表紙に社紋
プレート付きの関東バス5100代というマニアックな所をもっ
てきたのですから、それを生かすような内容もあれば良かったと
思います。結局のところ「バスマガジン」は偉大な存在だったと
気付かされた1冊というところでしょうか。
【2009/01/05 11:59】 NAME[Mrジョソ] WEBLINK[] EDIT[]


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