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拙ブログをご覧になっている方からすれば「何を今更・・・」という内容ですが、今回は都内
のバスがなぜ12年で廃車になるのか?ということをまとめてみたいと思います。
随分前に書いたエントリの再録という形になり、かつ都内ではなく千葉県の路線バスで説
明するという話ですが、お付き合いいただければ幸いです。

かつて都内でも路線バスを15年ちかく使用する事業者はいくつかありました。しかし現在
では一部事業者を除き、12年~13年未満で廃車となるのがほとんどとなっています。
これは2001年12月から施行された「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質
の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」
いわゆる 自動車NOx・PM法 によって、対策地域に「使用の本拠の位置」(営業所
や車庫)のある車両は定められた登録年数を越えて車検を継続して取得することが出来な
くなりました。

この法律の対策地域とは、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の首都圏、愛知・三重圏、大
阪・兵庫圏の対象となる市区町村です。ここでのポイントは都府県全域ではなく、あくまでも
対象となる市区町村となっているところです。例えば千葉県でいえば我孫子市は対策地域
に入っていますが、お隣の印西市や栄町は対策地域から外れています。

習志野200か761









習志野200か761.

そして川を挟んだ茨城県はそもそも対策地域となっていません。

土浦200か1067









土浦200か1067.
もちろん対策地域を避けて営業所を構えた事業者は某事業者だけではありません。
新たに成田市周辺に営業所を開設した貸切バス事業者は多く見られるようになりました。


次は車両について。ここではバスについてのみの説明になります。
車検を継続して取れない車両とは、簡単に言えばKC規制車より古い排ガス規制の車両
となります(登録年月日によっては一部のKK規制車も対象となるようですが)。
対象となる車両は

定員30人以上のバスは初度登録日から起算して12年
定員29人以下のバスは初度登録日から起算して10年

以降の車検を継続することは出来ません。厳密には
初度登録日から起算して12(10)年目以降の有効期間満了日を越えて継続することが出
来ない
こととなっています。これは何を表すかというと、
1998年5月に登録した定員30人以上のバスを例にすると、2009年5月の車検が最後と
なり、2010年5月までしか使用することが出来ません。しかし、2009年4月に前倒しで車
検を受けた場合2010年4月までが有効期間となります。2010年4月は当然初度登録日
から起算して12年目の2010年5月より前となりますので、もう1年車検を継続することが
出来ます。よって継続した2011年4月が12年目以降の有効期間満了日にあたり、この日
を越えて継続して車検を取ることは出来ないことということをあらわします。
事業者によっては車検作業の平準化を目的に、意図的に前倒し車検を行うこともあるので
同年式車でも12年以上13年未満とわりあい長く活躍する車両も出てくるのはこのためです。

この自動車NOx・PM法は2001年から施行されましたが、91年車など2006年まで活躍し
た例をご覧になっている方も多いと思います。例えばこの車、

千葉200か627









千葉200か627.U-MK117J(91年車)。千葉シーサイドバス
これは対象となる車両の起算日が異なったからです。
緩和措置とやらで、1990年10月1日から1993年9月30日の間に初度登録日のある車
両は、2005年9月30日を特定期日としました。これにより、2005年9月以前に車検を取
得した車両は90年車も93年車も2006年8月頃まで活躍した車両も見ることが出来ました。

バスファンの中には、DPFを取り付ければ車検を取れるのでは?とお考えの方もいらっしゃ
るようですが、DPFや酸化触媒に関しては「八都県市のディーゼル車規制」になります。簡
単に言えば走行を規制するもので、初度登録より7年経った時点で対象となる車両はDPF
や酸化触媒等の粒子状物質減少装置を取り付けなければ、規制地域を走行することが出
来ないというものです。

19-08









社番:19-08.
つまり千葉交通でボンネットバスを運行することが出来たのは、使用の本拠の位置が自
動車NOx・PM法の対策地域外の成田市で、なおかつ車両にDPF等の粒子状物質減少
装置が付けられていたからになります。

今年1月1日から開始された大阪府流入車規制も同じく走行を規制する条例ですが、こち
らは自動車Nox・PM法に準拠しています。DPF取り付け等に関係無く、大阪府内の対象
地域を発着する車両は自動車NOx・PM法対策地域で登録できる車両でなければならない
というものです。なお、対象地域で発着は行わず通過するだけであれば通行を認めている
ところに、この条例の制定に諸事情があったことをうかがわせます。

以上から東急バスで1500番台の車両が13年未満で代替されていること、
もとい都内のバスが12年で廃車となっていることの説明になります。
では、関東バスでつい最近まで91~92年の車両が走っていたのか。これについては別
の機会に説明していきたいと思います。

バスグラフィックを読み、あらためてこのあたりのことをきちんとまとめてみたくなりました。
辛い感想の多少の罪滅ぼしになればと思います。
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