バスマガジン ６５号

音楽をよく聴いていたのは、今考えると学生時代だったと思う今日この頃。そんな学生時代が１９９０年代だった者からすると、ＡＳＫＡ氏（飛鳥と書いた方がしっくりくる世代ですが）の逮捕はいろいろと思うところ。ｔｒｆ（小文字時代）など小室ファミリーやＢ’ｚ、ミスチル、ＣＤを発売すればミリオンセラー連発だったあの時代から２０年、ＣＤ自体が売れなくなる時代になろうとは。インターネットを利用したダウンロードなどの普及も原因の一つなんでしょう。ただインターネットが個人にも普及したからこそ小生もこんな駄文を世界に発信出来るようになったのですが。というわけで、毎月恒例バス雑誌の感想と題した余計なことなど・・・。奇数月はバスマガこと『バスマガジン ６５号』です。

巻頭は「今春、各地で営業運転を開始！ 電気バス時代到来!! メカニズム詳細解説＆運行データガイド」。記事では薩摩川内市や北九州市、三重交通、ＪＲ東日本気仙沼線ＢＲＴなど相次いで運行を開始した電気バスを多くのカラー写真で紹介しています。機器的な説明は既にバスラマで散々紹介されていますが、あわせて運行ダイヤを掲載しているところが「バスに乗ること」も趣味の対象としているバスマガジンらしさでしょうか。

  

車号：ｚｅｒｏ－０２．２０１４年５月に許可を得て記録。
今春運行を開始した電気バスといえば、やはり目立つのは薩摩川内市と北九州市。韓国ファイバー社製電気バスをベースにした車両。画像の北九州市営バス在籍車両は平日のみの運行です。

今号でもっともページを割いているのが、「来年３月、バス運行から撤退!! 熊本市交通局バス事業完全ガイド」。バスマガジンではおなじみとなった、事業を終了する市営バスのお名残紹介特集です。熊本市営バスの現状、車両、歴史など基本事項をおさえつつ、動物看板などマニア的な記事ありと、カラー・白黒頁にわたって深く掘り下げています。現行路線図と路線移譲が始まった２００４年６月１日現在の路線図が掲載されていますが、市営バス撤退が段階的に進められたことを実感します。ちなみに２００４年の路線図には、風俗街を経由していたころの「都心循環バス」の記載も見られます。

 

熊本２２か２７２０．Ｕ－ＨＴ２ＭＭＡＡ（９２年車）。２０１４年３月に記録。
熊本都市バスへの路線移譲にあわせ車両も転籍していった結果、現在市営バスに残る最古参車が画像の西工ボディＨＴ９２年車。在籍車両状況がいまひとつ分からなかった小生なので、この特集は今後のブログ更新に役立ちそうです。

  

熊本２００か８６３．ＫＣ－ＨＵ２ＭＭＣＡ改（９７年車）。２０１４年５月に記録。
市営バスの撤退が決定し新車導入は中止となりましたが、古参車代替のため移籍車導入は継続。熊本ではおなじみとなった京浜急行バスからのＨＵワンステップ移籍車。同時期に江ノ電バスからのＵＡツーステップ車も導入しましたが、２０１４年４月に熊本都市バスへ転籍となっています。



熊本２００か９４８．ＫＣ－ＬＶ３８０Ｎ改（９９年車）。２０１４年５月に記録。
松戸新京成バスからの移籍車のうち１台が２０１３年に「昭和４０年代に採用された旧塗装 」に塗り替えられました。塗り替え後も色々と手を加えられており、正面の動物看板が旧デザインのものを掲示したり、「ワンマン」表示灯を取り付けたりしています。



熊本２２か２８０３．Ｕ－ＣＧ３ＫＳＡＵ改（９３年車）。２０１４年１月に記録。
９３年に「熊本市内で開催された地方博覧会「火の国フェスタ・くまもと」に合わせて制作された 」レトロバス。「通常の路線バスとして運行されている 」ということですが、運用車両に余裕がある土日に動くことは少ない模様。



熊本２００か４８２．Ｕ－ＵＡ４４０ＬＳＮ（９４年車）。２０１４年５月に記録。
熊本競輪場への無料ファン送迎バスは西武バスからの移籍車３台で運行中。天井にも競輪選手のイラスト（辛子蓮根も）が描かれているとは知りませんでした。来年度以降のファン送迎バスがどの事業者によって運行となるのか？画像の専用車両はどうなるのか？など気になるところだらけです。


 
熊本２００か５２７．ＰＡ－ＭＫ２５ＦＨ（０７年車）。２０１４年５月に記録。
在籍車両一覧は熊本市営バスだけでなく、熊本都市バスも移譲年とあわせて掲載。資料性が格段にアップしています。画像のＭＫノンステップ車は２０１４年の路線移譲で熊本都市バス入りしています。在籍車両一覧に市営バス発注のＲＪの型式に誤りが見られたのは少々残念ですが、今後のブログ更新で手放せない資料となることに間違いありません。

このほか、「三重交通の特別仕様バスに乗って観光地巡りをしよう」では電気バスや神都バスなど、三重交通在籍の特別仕様車の運行区間と観光地を紹介しています。また、前号で特集した復刻塗装バスの続報として、訓練車や新たに登場した復刻塗装車を掲載しています。

バス会社潜入レポートは「中国ジェイアールバス」。趣味誌で本格的に取り上げられたのは２００５年刊行の『バスラマ９１号』以来でしょうか。高速バスネットワークや「ひろしま めいぷる～ぷ」や「めいぷるスカイ」といった広島市内で運行を開始した観光路線バスなど近年の施策をカラー写真中心に紹介しています。



車号：６４１－１９０８．ＫＬ－ＬＶ７８１Ｒ２（０１年車）。２０１４年２月に記録。
高速車の代替は進んでおり、２０００年代初期の一時期採用した中国ジェイアールバスオリジナル塗装車は数を減らしている模様。



車号：５３４－５９５８．Ｕ－ＭＰ６１８Ｍ改（９５年車）。２０１０年１０月に記録。
一方で一般乗合車の代替はややスローペース。「いまだ半数近くをＵ－代が占めており、特に９５年式が３５台で最大勢力となっている 」とのこと。４年前に記録したこの車両もまだまだ現役です。

 

車号：５３１－７９３１．ＰＫＧ－ＬＶ２３４Ｎ２（０７年車）。２０１０年１０月に記録。
せっかくなので４年前に記録した一般乗合車の画像をもう１枚並べておきます。ＰＫＧ規制車のいすゞＬＶワンステップ車は中国ジェイアールバスの「一般路線バスでは最大勢力 」を誇ります。

相当久々の掲載となる「今号の気になり事業者」では「ケイエム観光バス」を紹介。
一時期は減車など縮小傾向でしたが、２０１３年にニュー東京観光自動車がグループ入りするなど、現在は積極的な事業展開をしています。「長年シンボルとなっていた、フロントへ掲げられた「km」マーク。しかしこのマークは枠に囲まれていることから、会社が大きく成長できないというゲン担ぎで、近年廃止となった｡ 」とのこと。例として画像を並べたいところですが、老舗貸切バス事業者にも関わらず小生手持ちの画像がありません。画像は記録次第貼りつけたいと思います。



品川２００い７．２０１４年５月に記録。
２０１２年には、路線バス事業に参入。レインボーブリッジ経由で品川駅・田町駅とお台場地区を結ぶ「お台場レインボーバス」は画像の日野レインボーⅡノンステップ車によって運行しています。「レインボーブリッジを通過することから、グループの社長が「レインボー」の名前が入る同車の採用を決定した 」という驚きの導入理由エピソード！なお、２０１３年４月より運行を開始したｋｍフラワーバスは同じくレインボーブリッジを経由しますが、三菱ふそうエアロスターノンステップ車で運行しています。

連載では、「事業者間移籍車話題の広場」で栃木の東野交通と静岡県内事業者の移籍車をとりあげています。また、「読者が選ぶ 全国乗合バス１００選」では５６～６０路線を選定、ようやく終わりが見えてきました。「終点までのバス散歩」は館山日東バスの細田を訪ね、「１９８０年代 思い出のモノコックバスたち」では小豆島バスのツーマン車を紹介しています。なお、今号も「Things happened in a year」、「さようならエアロキング」は休載となっています。

今号は小生的に気になっていた熊本市営バスの大特集ということで読み応えがありました。特集が熊本・三重、バス会社潜入レポートが中国ジェイアールバスと、首都圏事業者以外に興味がない方には少々退屈な内容だったかもしれません。ただ、ここ何号かバス会社潜入レポートで首都圏の事業者が続いていたので、たまにはこういう号があっても良いのではないかと思います。

次号予告は「残り少なくなった首都圏の富士ボディ車・ウォッチングガイド」。２０１２年刊行の５４号特集「関東から姿を消しつつある富士ボディに注目！」の焼き直し？関東地方全体から首都圏に狭めているのでどうなるのでしょうか。



社番：２７７－１０６４２Ｒ５．２０１４年４月に記録。
前回それほど取り上げられなかった車両というと、思いつくのはこれくらい。短期間の製造に終わった富士１Ｍボディですが、小生的に希少感がイマイチ湧かないのは東京空港交通に結構な台数在籍しているためなのでしょう。
次号の予告にはありませんが、今年度いっぱいで事業を終了する小松島市営バス特集も今後バスマガジンの特集として取り上げられると推測。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照したものになります。